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三十路女のくだらない日々。


by kutuganaru
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涙泥棒

『東京タワー オカンとぼくと、ときどきオトン』を見ました。
3年分くらい泣きました。

涙は、流したいときにかぎってなかなか出てきません。
特に、私の場合。
だから、ああいう“絶対泣ける映画”をたまに見る事で、出てこない涙を、無理やり出して、リフレッシュするのです。
あくまでも、私の場合。

隣の隣に座っていた女の人も、泣いていました。
その人は、終始泣きまくり、そのうち、その人自体が溶けてきてしまいました。
涙を流す、目の辺りから、だんだん曖昧になっていました。
そのうち、鼻、口、額の辺りの境界線が溶け出し、そしてやがて、顔自体、あるのかないのか、わからなくなってしまいました。
すすり泣きの声が、あまりにも響いていたので、つい、見てしまったのです。
女の人が、映画の最後まで存在していたのか、いなかったのか、私にはわかりません。
スクリーンの幕が閉まり、劇場が明るくなってもなお、私の目はスクリーンから離せなかったからです。
女の人の座っていた席の辺りに、ひとつのハンカチが落ちていました。
女の人自体が、しみこんでしまったのか、たんに落として言ったのか、私にはわかりません。

ちなみに、「なんかしらないけど、なんとなく泣いちゃう」映画の事を、涙泥棒というらしいです(みうらじゅんが命名)
この映画で、涙を泥棒された感じ、私はしませんでしたけど。

みなさんはどうですか?
by kutuganaru | 2007-04-27 01:35