三十路女のくだらない日々。


by kutuganaru
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<   2015年 06月 ( 4 )   > この月の画像一覧

主題歌がYUKIということで原作漫画は少し前に読んで、
それはそれはとても素敵なお話だった『坂道のアポロン』が、
Huluに登場!

ということで一気見しました。

舞台は1966年、長崎。
父の仕事の都合で、横須賀から長崎の親戚の家へ単身預けられた薫。
転校先の学校で札付きの悪と言われる千太郎と運命的な出会いをすることになる。
千太郎の幼馴染律子の計らいで、ジャズセッションをやることになり、
はじめはいがみ合っていた2人がいつしかかけがえのない存在へとなっていく。

というようなお話で、もちろんストーリーは漫画で知っていたし、
動きはあまりなく、アニメとしては少し物足りないな~なんて、
最初は思っていたのですが、
回を増すごとにぐいぐい引き込まれて、
最後の最後、エンディングは本当に素晴らしかった。

何が素晴らしいって、オープニングテーマ曲として使われていた
YUKI「坂道のメロディ」の使い方!

何にも考えずに、ただ音楽と友達がいた高校時代、
楽しげに坂道を駆け下りる2人の青年が、
悲しい別れと、同じくらい素敵な出会いを繰り返し、
大人になって再会したその瞬間、
2人は高校時代に逆戻りしたような無邪気さを取り戻し、
同じように坂道を駆け抜ける。

その2人を、昔と変わらない控え目で優しげな瞳で見つめ続ける、
純心な1人の乙女。

これまでのオープニングと、その曲を使った現在との対比。
それがあまりにも美しくて、ついつい涙があふれました。

もうね、ザ・青春!!
こんな甘酸っぱい青春、見たことなか~!!
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by kutuganaru | 2015-06-23 17:09 | アニメ
『海街ダイアリー』@ユナイテッドシネマ浦和 2015/6/16

<ストーリー>
鎌倉に暮らす長女・幸、次女・佳乃、三女・千佳の香田家3姉妹のもとに、15年前に家を出ていった父の訃報が届く。葬儀に出席するため山形へ赴いた3人は、そこで異母妹となる14歳の少女すずと対面。父が亡くなり身寄りのいなくなってしまったすずだが、葬儀の場でも毅然と立ち振る舞い、そんな彼女の姿を見た幸は、すずに鎌倉で一緒に暮らそうと提案する。その申し出を受けたすずは、香田家の四女として、鎌倉で新たな生活を始める。

監督 是枝裕和
原作 吉田秋生
脚本 是枝裕和
製作 石原隆 都築伸一郎
出演 綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すず

とても心地いい何かに包まれているような感覚。

まず、色がいい。
淡く、空と海の境目が分からない色合いが、
鎌倉の灰色の空と全体的に靄がかかったような空気感によく合う。
(撮影は瀧本幹也氏)

音がいい。
どこにいても、波の音が絶え間なく聞こえてくる気がする。

4姉妹がいい。
ほんとは、これに尽きる。

綾瀬はるかは、役に合わないのではないかと思っていたけれど、
厳しさの中にある強さ、弱さ、そしてなにより優しさがにじみ出ていて、
きちんとお姉さん、という感じがした。
綾瀬はるかが笑うと、お姉ちゃんに許してもらえた、認めてもらえた、と
なんだかうれしくなった。

長澤まさみは、シワがよかった。
語弊がありそうだけど、いい意味でツルンとしていなくて、
きちんと生きてきた人、という実在感があった。

夏帆は、3女の飄々とした感じがうまいこと出ていて、
何にもとらわれない軽やかさと、
自分の道をマイペースに進んでいく芯の強さで、
姉妹の間をクルクルと動き回る様は、とても小気味いい。
なのに、ほんのわずか、孤独を感じているんだろうな、
という感じがうすーく見えるところが、すごい。

広瀬すずは、何者でもない感じがいい。
衝撃的にかわいいし、多分ほかの同級生キャストより年上だと思うのだけど、
その違和感を不思議と感じることなく、空気にスルっとなじんでる。
ちょうどいい存在感って実は貴重。

この4人それぞれと、関わる人。
いい人、悪い人、悪気はないけど自分のことしか考えてない人、
ただ現実を静かに受け入れる人、抗う人・・。
みんなが生きて、そして死ぬ。

そうそう、この映画、2時間の間に葬式が2回、法事が一回。
喪服のシーンがやけに多い。
多いのだけれど、それも仕方のない自然の摂理だと、受け入れられる。

そしてそれは、人生の一大イベントでもある結婚が、
いずれこの4人に訪れるであろうことも示唆する。
つまり、この時、4人が仲睦まじく生活するこの時間には、
限りがあるのだということ。

限りがあるからこそ、美しいのだということ。

窓枠に集まり、梅の木を眺めながら、寄り添う4人が、
笑い合うシーンに、涙してしまったのはなぜだろう。

もしかして、その美しさに、涙が出たのだとしたら、
私的には大進歩。
(ポジティブな理由で涙を流した経験がないので)

いいとか悪いとか、関係なく、わたしはただ、この映画が大好きだ。
今後、どれだけ素晴らしい映画が登場したとしても、
私の中のこの映画の立ち位置は、きっと変わらない。
心のどこかに必ずこの映画はあるし、
折につけて見返すことになると思う。
きっと見るたびに、感じ方は全然違って、
だけどいつ見ても、私の心に温かいものを宿してくれる。

そんな映画になるだろうなあ、と感じたのです。

なんだか最近、感傷的になってしまって、いやあね。
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by kutuganaru | 2015-06-23 15:14 | 映画
『新宿スワン』@TOHOシネマズ新宿(初体験)2015/6/9
 
<ストーリー>
一文無しであてもなく歌舞伎町を彷徨っていた白鳥龍彦は、スカウト会社「バースト」幹部で謎に満ちた一流スカウトマンの真虎に助けられ、スカウトマンとしての道を歩み始める。裏社会に足を踏み入れた龍彦は、危険な思惑が交錯する世界を縦横無尽に駆け抜けていく。

監督/園子温
原作/和久井健
脚本/水島力也・鈴木おさむ
プロデューサー/山本又一朗
出演/綾野剛・山田孝之・沢尻エリカ・伊勢谷友介・金子ノブアキ など

まず、見た劇場がよかったです。

TOHOシネマズ新宿。

歌舞伎町のど真ん中にあるこの劇場で、
歌舞伎町が舞台の映画を見る。
映画館からほんの数メートルのところで、ドラマが繰り広げられている感じ。
見ている間も見終わって駅まで帰る道も、
なんかソワソワしてたのしい。

逆に、ここで見ていなかったら、何の意味もなかったと思う。
と、いうのも。。

この作品を見て、私が園子温に求めているものが、はっきりとわかりました。

それは、園子温自身、です。

園子温の映画を見るとき、ストーリーや演出、エロ・グロとか、
そんなのはどうでもいいのです。

「俺は園子温だ!!!!」

という主張そのものがどうしようもなく魅力的で、
それを楽しむために、映画館に毎回足を運ぶのです。

「俺は園子温だ」と言えば、初監督作のタイトルのようですが、
いったいこれはどういうことでしょうか?
未見なのでわかりませんが、きっと、なんとなく、そういうことなのだろうと。

映画がどんなに荒唐無稽でもめちゃくちゃでも、
ストーリーに齟齬がありまくりでも、それもひっくるめて、
一人の人間を見ているという感覚が、
とてもスリリングで、生々しくて、
こういう体験をさせてくれる映画は、そんなに多くないと思います。

ところで、『新宿スワン』は、わりとよくできた映画です。

ストーリーも分かりやすいし、
登場人物1人1人がとてもよく描けていて、みんな魅力的。
(これで綾野剛が少しだけ好きになった)
アクションシーンには迫力があるし、
安田顕の出てくるシーンとか、声出して笑った。
あれだけたくさんの人間を使って撮影するとか、ほんっと大変だろうし、
宣伝も大量で、現に集客もよさそう。

こう書くと良い事だらけ。

あれ、なのに何この、物足りない感は。

私はこの手の映画(不良漫画系?)を好んで見る方ではないので、
なぜ映画館まで見に行ったかって、それは園子温監督作だったから。

なのに、この映画には圧倒的に、園子温が足りない。
感じるのは、「へえ、園子温て、普通にちゃんとした映画撮れるんだ・・」
ってことくらい(←あたりまえ)

今HULUでまとめ見してる「時効警察」の園子温回の方がよっぽど園子温臭がして、
楽しめます。

もっと園子温もってこーーい!!!!

ってことで、園子温臭プンプンの「ラブ&ピース」と「みんな!エスパーだよ」が、
今から楽しみなのであります。

※さて、「園子温」って何回言ったでしょうか?
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by kutuganaru | 2015-06-15 00:42 | 映画
『百日紅 Miss HOKUSAI』@シネ・リーブル池袋 2015/6/13 

<ストーリー>
江戸風俗研究家で文筆家や漫画家としても活躍した杉浦日向子の漫画代表作「百日紅」を、「カラフル」「河童のクゥと夏休み」の原恵一監督がアニメーション映画化。浮世絵師・葛飾北斎の娘で、同じく浮世絵師として活躍した女性・お栄が、父・北斎や妹、仲間たちとともに生きた姿を、江戸の町の四季を通して描く。

監督/原恵一
原作/杉浦日向子
脚本/丸尾みほ
キャラクターデザイン/板津匡覧
美術監督/大野広司
出演/杏・松重豊・濱田岳・高良健吾・美保純 など

原恵一作品初体験。
話題になっている事は耳に入っていたのですが、
クレヨンしんちゃんとかは、あまり見ない方なので、
これまで見る機会がなかったのです。

これまで見てこなかった事を後悔するほどではないけれど、
この作品は、とってもよかった。とっても、じんわり、よかった。

まず冒頭、
百日紅の花が落ちて、
主人公のお栄さんが「長い夏が始まるねえ」という、
そこに音楽が乗ってきて、タイトル(だったはず・・!)

それだけで、なんだか涙腺が弛んでしまった。
その時点で既に、私の感情をどうにかする作品である事が、
わかってしまった。

あとはもう、引きずられるだけ。
物語に、お栄さんに、北斎の書く龍に、もののけに、スクリーンに。
現実も物語も入り交じった、私を取り巻く全てに。

ところで私は絵が苦手である。
絵?じゃないな。。美術?芸術?
よくわからないけれど、
美術館などに行くと、たまにモーレツに退屈してしまうのだ。

美術を鑑賞する、楽しむためには知識が必要で、
その知識をわきまえていないと楽しめないような気がしてしまう事があって、
要は、絵を見ているだけでバカにされているような、
疎外感のような、そんなものを感じてしまうのだ(←被害妄想)

北斎の絵は違う。
歴史とか、文化とか、当時の時代背景とか、
そういったことが何もわからない私でも、
楽しんで良いんだよ、と言ってくれているような、
度量の深さ、というよりはもっと軽やかな、単純なユーモアを感じる。

そこが好きだ。
軽やかなものは、いい。

映画を見ていると、
北斎とその娘、お栄には、小難しいところやこだわりがほとんどない事がわかる。

自炊はしない、掃除もしない、
家が汚れたら全部置いて引っ越せば良い。
親父と娘、筆2本と箸4本あれば、どこでも食っていけるさ。

なんと粋なこと・・!

逆に、駆け出しの絵師、善次郎が家に勝手に住み着いてもおかまいなし。
野良犬がいつの間にか家に入ってきても、しかり。
書き上がった絵がダメになった時だって、
怒ることもなく、だた、なくなってしまった、
という事実だけがそこに残る。

絵は、その目で見たものしか、描く事ができない。
だから、色いろなものを見る。
なんてシンプルなのだろうか。

そういった生き様が、そのまま作品になっているのだと、
なんだか妙に納得してしまった。
(真実は知りませんがね。)

主人公である北斎の娘、お栄さんは、
粋で、とても男らしい女性です。
絵を描き収入を得て、母親孝行に妹孝行。無口で人の世話ばかり。

そういう「強い」女性は、得てして一人です。

彼女の「強い」仮面の下に隠れた、弱さをわかってあげられる男性が、
一人でもいなかったのか。
例えば、歌川国直くらいは、本当は気づいてあげるべきだったのではないのか?
(北斎はわかっていたんだろうが、父だし、照れくさかったんだろうな)

でも、もしそうだとしたら彼女は生涯独身じゃなかっただろうし、
(一度は嫁いで、だめになったとのこと)
生まれずに終わったかもしれないすばらしい作品もたくさんあるのだろうから、
まあ、これでよかったということなのか。

そもそも、よいも悪いも、その人の人生なのだから、
私ごときが口出しするのは無粋ですね。

少しは、お栄さんの粋を見習いたいものです。
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by kutuganaru | 2015-06-15 00:07 | 映画