三十路女のくだらない日々。


by kutuganaru
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熱海の捜査官

今日は十五夜だそうですが、
もうすぐ雨みたいです。

もう降っていたらどうしよう…。


テレビ朝日金曜11:15~ナイトドラマ「熱海の捜査官」。
三木聡特有の小ネタプラス本格ミステリーの雰囲気満載で、
毎週欠かさず、そりゃあもう楽しみに見ていたのですが。

最初から最後までなぞを散りばめたまま、
まあ良くわからないまま、なんと全8話という短さで終了してしまったのです。

あまりにもわからなすぎて、不完全燃焼過ぎたので、
後日ネットにて検索しまくってみたわけですよ。そしたら。


もう、度肝を抜かれました。
なんということ。。

ちっとも真相にたどり着けなかった自分より、
その真実に気づいた人たちがたくさんいたことに、私はびっくりしてしまいました。
といっても、本当の真相はさすがにわからず、
数ある推理も、すべて納得がいくというわけではないので、
これは
「だいたいわかりましたよ。」
というくらいにしておいて、だいたい、以外の部分は自分の信じる結末、ということでいいんじゃないかと思うのです。

たとえば、
南熱海の住人はすべて死んでいる、つまり南熱海は死後の世界である、という見解と、
南熱海は生と死のはざまにある中つ国のような場所で、
存在している人には、生きている人も死んでいる人もいる、という見解。
また後者にしてもだれが生きていて誰が死んでいるのかという見方は人それぞれであったりします。
私は後者つまり生きている人と死んでいる人が混在している、という見解を信じ、
誰が生きていて、誰が死んでいるのか、という部分に関しては、
DVDが発売されてから再度見て、自分で考えようと思っています。

その真相にたどり着くまでに、
登場人物の名前の由来とか、エンディングテーマの東京事変の「天国へようこそ」という曲とか、
散りばめられたセリフの断片とか、様々なファクターを用いて描く様は、
ドラマとしてはかなり画期的で素晴らしいものではないでしょうか。映画ならありそうだけど。

三木聡の作品は、だいたい見ていますが、こんなに深く考えたことは一度もなかった。
「インスタント沼」や「時効警察」、「図鑑に載ってない虫」など…。
三木聡の新しい一面、と最初はとらえていたのですが、
よくよく調べてみると、彼の作品は、割と「生と死」をテーマとしていることが
多いみたいですね。小ネタでうまく隠しつつ。

私の好きな作家に、今や女子大生に大人気の、森見登美彦という方がおられますが、
彼の作品にも、「同じ阿呆ならおどらにゃ損そん!」とばかりにふざけの境地ともとれるものと、
「きつねのはなし」や「宵山万華鏡」のように、京都の妖艶な雰囲気で綴られる
不思議なものがあります。

でも不思議と、両者とも同じ人の作品であるということが、妙にしっくりくるんですよね。

そんなこんなで、今は「熱海の捜査官」のDVDが発売されるのを、心待ちにする日々です。
ちなみに発売日は2011年1月下旬だそう。

「熱海の捜査官」の解説が詳しく読みたい方は、
「熱海の捜査官 最終回 ネタばれ」とかで検索するとたくさん出てきます。
公式HPのBBSも面白いですよ。


おしまい
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by kutuganaru | 2010-09-22 22:07

乳と卵

連続投稿してみる。

「乳と卵」川上未映子

芥川賞受賞作。
なんで、なんでこれが芥川賞を受賞したんだろうか。
全然、ほんとにこれっぽっちも入り込めなかった。
思春期に、同じようなことを考えていたはずなのに。
私が大人になってしまったっていうこと?
でも、大人になってしまった人が、思春期を思い出して
あれやこれや思ったり共感できる作品だって、たくさんあると思う。

とにかく最初から最後まで読みにくい。
これがスタイルと言っていいの?って疑問に思うくらい。
独特の文体で、人によっては読みにくいっていう作家もたくさんいると思う。
先だってさんざん語った舞城王太郎だってそうかもしれないし、
森見登美彦とか、場合によっては川上弘美とかも、そう感じる人はいるかもしれない。

今書いてて気づいたけど、私はそういう作家が結構好きだったりするのだ。

芥川賞受賞作って、そんなにたくさん読んだわけでもないし、
短編っていうこと以外に、どういう作品に贈られる賞なのかよく知らないけれど、
こんな読みにくい文体で、内容もあるようであんまりなくて、
心の機微に一切触れない作品が、いったいどういう経緯で受賞という運びになったのか、
それが心底気になる。気になりすぎる。

ちなみに、今までの芥川賞受賞作で、読んだことがあるのは、
「妊娠カレンダー」小川洋子
「蛇を踏む」川上弘美
「蛇にピアス」金原ひとみ
「蹴りたい背中」綿谷りさ
「ひとり日和」青山七恵
だけでした…。そういえば「ひとり日和」も別に面白くなかったな。
吉田修一「パークライフ」は読んだ気がするけれど、本当に読んだかどうかも覚えていない。

私なんかには理解できない、ムツカシイ賞、ということですかね。

ちなみに私が敬愛している舞城王太郎「ビッチマグネット」と松尾スズキ「老人賭博」が
ノミネートされた回は受賞者なしでした。残念。
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by kutuganaru | 2010-09-17 21:03
夏が、なかなか終わりません。
厚くなったり、急に寒くなったりして、風邪をひきそうです。

最近外出のある仕事をしているので、
暑かったり、寒かったり、急に雨が降ったりすると困ります。
って、そんなのは誰だって困るのだ。

今年の夏は熱かった。
何がって、舞城祭りですもの。

「獣の樹」「NECK」「イキルキス」そして「魔界探偵冥王星O デッドドールのダブルD」

特に、後ろ二つは近年稀にみる傑作!!


「イキルキス」講談社 2010年8月
表題作「イキルキス」(2002)、「鼻くそご飯」(2004)、「パッキャラ魔道」(2008)の3作品収録。

・イキルキス
物語には、生きるキスと死を招くキスがある。
このキスは生きるキスだといい、と思ってキスをすることに、意味がある。
自分が生きているこの世界は、物語じゃないけれど、でも物語にもなり得るのだ。
ゴンゴン鳴りながら移動する鐘とか、いろいろと残る謎は、そのままでいい。
知ったほうがいいことと、知らなくてもいいことはある。
それは物語でも同じで、物語だから全部わかるっていうことのほうが不自然なことのように思えてくる。
もちろん、そう思えない物語はこの世にごまんとあって、ミステリーでそれができちゃう舞城王太郎やっぱすげー。

・鼻くそご飯
舞城王太郎の本は、えぐいと同時にものすごく純粋で真っ白で無垢だから、
汚いことをたくさんいってても、それはその純真を表現するための手段だと思うのだ。
だからか知らんけど、セックスとかそういうことの描写はとても珍しいんだけど、
スッと入ってくるから不思議。
ほんとどうしようもない人間なんだけど、結局は純心をどこまでもどこまでも、どこまででも
追い求めちゃうから、菊の絵を描き続けたり、鬱になって首吊ったりして、
苦しんでるけど生き続ける。

・パッキャラ魔道
上記2作品に比べて、印象が薄い。
やさしくされないと思っている人って、人にやさしくできてないことが多いってことだよね、きっと。


「魔界探偵冥王星O デッドドールのダブルD」講談社ノベルス 2010年9月
この、この作品を読むために、今まで肌に合わないラノベチックな作品を、
ずっと読んできたんですね!!私は!!
という、2重の感動が得られる。
ほんと、きつかったんです。このシリーズ読み続けるの。
別につまらなくないけど、どうにも肌に合わなかったんですよ。
こんなこといったら失礼だけど、正直誰かに表紙見られでもしたら超恥ずかしいし。
舞城王太郎の企画、っていうだけで、シリーズ全部購入するのは、マジくじけそうだった。

ちなみに、概要を書くと舞城王太郎原案の映画「NECK」に登場する、主人公杉奈の幼馴染で、
ホラー小説家の越前魔太郎という人がいて、その人名義の本なんですが、
もちろん架空の人物なわけで、この企画をしている電撃文庫と講談社ノベルスそれぞれのレーベルの
売れっ子作家が覆面で書いているという噂。
一応どの作家が関わったかが最近明らかになったけど、またまた失礼な話、乙一しか知りませんでした。

・ヴァイオリンのV
今思い起こせば、シリーズの中では悪くなかったかもしれない。
でも、きざすぎるセリフ回しとか、改行が全然なくてとても読みづらかったし、
戦闘シーンが長すぎてだれる部分もあった。
舞城王太郎は改行なくてもスラスラスラと読めるのに。
よかった点は、人体楽器という残酷な楽器が美しかった。
噂によると乙一作の線が濃厚らしい。

・ウォーキングのW
このシリーズ中もっとも(ダブルDは除く)心温まる話。

・ホーマーのH
もうよく覚えてない。。

・ペインのP
エロ描写いらない。結構作りこまれた話でゾクっとするところもちらほらあったのに…。

・ジャンクションのJ
これはD以外で一番面白かったかな。舞城っぽくもあり、支離滅裂な感じが逆によかった。

・トイボックスのT
もう冥王星Oほとんど関係ないじゃん。これもエロ描写いらない。
ぞくっとする感じは悪くなかったけど。

・デッドドールのダブルD
もう!これ!今までの冥王星Oと同一人物なの!?
という問題を解決するためなのかなんなのか、突然冥王星Oアル中になってるよ!!
今までかっこよくしすぎたキャラ設定を見事に解消!
そしておならで語ったりしちゃうなんとも可愛らしい愛らしいキャラになっているけれど、
キレるところはやっぱキレる!!推理でも、偽推理でもなんでもいいから生きてやる!
っていうスピード感がマジたまらない!!
「煙か土か食い物」「世界は密室でできている」そして「ディスコ探偵水曜日」的
メタメタな感じで、懐かしいとも思いつつ、やっぱ新しいよね、さすがだよね!!
この話は、とにかく最後がほんとに好き。何とも思い出して、ほっこりする。


何が悲しいって、この感動をわかってもらえる人、いないだろうなってこと。
いくら舞城好きでも、シリーズ全部読まないよね。わざわざ。
そして全部読まないと、感動も半減なんだよ!!ってことだ。

私にもっと伝える力があれば・・・!
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by kutuganaru | 2010-09-17 20:48