三十路女のくだらない日々。


by kutuganaru
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全否定=全肯定

松尾スズキはすごい。

志村けんならまだしもなんとあの南原清隆に間違われたり、ラクガンひとつであんなに思考できたり、著名人有名人を木っ端微塵に打ち砕いたり、酔っぱらった第三の役立たずの前でひたすらまじめであったりと、とにかくすごい。

『クワイエットルームにようこそ』にハマって、思えば『恋の門』も面白かったんだけど、文庫本買いあさって『クワイエット・・・』『大人失格』『この日本人に学びたい』『第三の役立たず』と、4冊読んで、映画版『クワイエット・・』で感じたものは間違いじゃなかったんだなあ、と思った。
それが、タイトルの「全否定=全肯定」という言葉。
これは『第三の・・』の中で松尾スズキにインタビューを受けている鶴見済(「完全自殺マニュアル」著者)が言ったのであるが、鶴見済がようやくたどり着いたこの境地は、松尾スズキには前提みたいなものであるという。まあだからこそ、『この日本人に・・・」なんて危ない本書けたのかも知んないけど。

はっきり言って私は真面目すぎるくらい真面目である。
下ネタも苦手だ。
端的に言えば、あまり面白くない。
そんな私が、シャブとかオナニーとか平気で言いまくる松尾スズキの著書にこんなにハマってしまうのは、「全否定=全肯定」という、全てのものに対する「愛」が滲み出てるからだと思うのだ。
どんなに悪態ついても、一見全否定しているように見えても、小馬鹿にして鼻で笑うような事をしようとも、人を「わかってる、わかってない」で簡単に分類しちゃおうとも、そこに愛があるからこそ私は全く嫌悪感を抱かずに、ただただ楽しんで読める。
失礼が失礼にならないのは、そこに尊敬や愛があるからだ。

そして、もう一つ忘れてはいけないのは、松尾スズキが誠実で真面目な、「内面的には9時5時気質の男」である点だと思う。
例えば仕事をすっぽかしたり、店員に暴行を働いたり、覚醒剤所持とか飲酒運転とか、女遊びとか、必ず時間に遅れてくるとか、まあ何でも良いけどなんか凄い人って武勇伝的なのある人多い気がするんだけど、そういうの全くない。
なんか真面目。普通。いたって普通。一見ちょっと危ないただの中年親父。
最近はブログまでチェックしちゃってるけど、なんか料理好きみたいだし。
炊飯器買って喜んでたし。

最も共感できるのは、なんか「メッセージ性を持たないようにしてる」とか「やる気でございますってスタンスがなんかどうも」って感じとか、まあつまり「努力が嫌い。「がんばれ?」ぺっぺっ」という態度だ。
『クワイエット・・・』でも主人公明日香は「言いたい事など何もない」みたいなことを言っていた。
私は結構、言いたい事って、持たなきゃいけないような気がしてて、やりたい事とかもなきゃいけないような気がしてて、だから別に言いたいことなんてあんまないんだよねーとか薄々感じてんだけど、それじゃだめだからってんで無理矢理言いたい事つくってべらべら無意味に垂れ流してる感じをどっかでなんとなくだけど感じてて、しゃべればしゃべるほど真実からはどんどん遠ざかっていく感じがするし、それじゃまずいってんでまたさらにその距離を埋めてなんとか真実に近づけなくてはって思ってまたべらべらしゃべって、どんどん遠ざかって・・っていうマイナススパイラルに取り込まれていってにっちもさっちも行かなくなって、うわーーーって、一人で頭抱える感じもなんとなくだけど感じてて。
そーゆうの結構つらいんだけど、つらいのを「私つらいです」って顔していうのもなんか違う気がするんだけど、じゃあどうすりゃいいんだよっていうのも全然分かんなくて、とりあえずヘラヘラ笑ってごまかしてる時に、なんかドンピシャリ、言葉を当てはめてる人がいるなーと思ったら、松尾スズキだったのだ。

面白みがないだけの薄っぺらい私は、日々のしがらみが厳しいわ手抜き加減わかんないわ、空回りしまくるわ、なんかとにかくヒーヒー言いながらじゃないととても生きられないんだけど、まあそれでもいいじゃない。事なかれ主義上等、楽しくいきましょうや、っていう感じが、たまんないす。いいす。

ってこうやって書いててもやっぱり真実にはあまり近づいてない感じするし、例に漏れずまんまとマイナススパイラルの罠にハマっている私なのであった。いと虚し。
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by kutuganaru | 2007-12-26 09:13