三十路女のくだらない日々。


by kutuganaru
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シチリア!シチリア!

かつて、高校生のころだったか、ビデオでニューシネマ・パラダイスを見て号泣し、
当時単音だった携帯電話の着信音を、テーマ曲にしていたことがある。
エンリオ・モリコーネは天才だと思う。

沖縄の大学に通っていたころ、那覇に素敵な映画館ができた。
桜坂劇場という、かつて桜坂琉映という古きよきだが客はさっぱり来ない劇場を、
改装してできた物だった。
そこで、ニューシネマ・パラダイスのリバイバル上映が行われたことがあった。
もちろん、喜び勇んで見に行った。
私が生まれたころに、上映されていた作品である。
まさか映画館で見れる日がくるなんて…!
感動した。
また、涙した。
映画館で見れたことに、相手は誰だかわからないが、とにかく感謝した。

その、ニューシネマ・パラダイスのジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作が、これだ。

「シチリア!シチリア!」
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンリオ・モリコーネ
出演:フランチェスコ・シャンナ ほか

監督自身をモデルにして描かれたともいわれている本作は、
ペッピーノという牛飼いの家に生まれた少年の半生を、時代背景を併せながら描いていく。
貧しいながらも、やさしい父と母、そして兄のもと、元気いっぱいに育つペッピーノ。
チーズ3個と引き換えに、ヤギ飼いの家に預けられたり、そのヤギに教科書を食べられたり、
先生にお尻をひっぱたかれたり、ととにかく災難続きだが、その表現はとにかく明るい。
やがて、青年になったペッピーノは、美しきマンニーナとの恋におち、
結婚し、子どもにも恵まれて、揺れる社会情勢のなか、政治にも揉まれ、波乱万丈な障害を送るのであるが…。


この作品、とにかく明るい。そしてうるさい。
イタリア人てみんなこうなの?っていうくらい、劇中の人物は誰もが大声を張り上げている。
子ども、先生、お母さん、おじさん、とにかくよくしゃべる。
字幕で見ていなければ、半分くらいは誰がしゃべっているのか、よくわからなかったかもしれない。

兄ニーノが徴兵されたときも、空襲で町が破壊されそうになっても、
そこに、必ずユーモアが織り交ぜられる。

悲しさ、苦しさは、ダイレクトに表現されると、時におなかいっぱいになってしまうことがある。
しかし、そこに笑いを生じさせることで逆に、
どんなに苦しい状況にあっても、明るさを決して忘れないでいた、
劇中の人物たちの偉大さを感じることができる。
ペッピーノの息子が、映画のフィルムのかけらに夢中になったように、
人生も、どこを切り取っても素晴らしい(映画のキャッチコピー)ものなのだ。

ニューシネマ・パラダイスのような深みはないけれど、
この作品はとても素晴らしかった。

ってゆうかもう、始まった時点から笑顔と涙が同時にこぼれそうになる。
作品に引き込まれる。

こういう風に、どんなときもユーモアを忘れずに、生きていきたい。
それこそが、人間の強さなんだろうと感じられる作品であった。


★★★★☆
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by kutuganaru | 2010-12-10 19:14 | 映画