濃い霧の中で深いため息をつく。
2010年 11月 10日
好きだよぅ
君が、愛しいよぅ
恋しいんだよぅ
あぁ、君の声が。
君の甘ったるい声が、どこからか聞こえてくる。
姿は、見えないのに。
僕だって、狂ってしまいそうなんだ。
いっそ、君の右手と僕の左手を、鎖で繋いでしまおうか。
鍵は、ほの暗い海の底に沈めて、
もう二度と、
離れられないようにしてしまおうか。
あぁでもそうしたら君は、
手首を木の枝のように、しなやかに、
痩せこけて、
鎖から抜け出てしまいそう。
僕は怖い。
今は、何もかもが恐ろしくて仕方がない。
あぁ僕は、狂ってしまいそうなどと言いながら、
もうとっくに狂っていたんだね。
by kutuganaru
| 2010-11-10 16:15