人気ブログランキング | 話題のタグを見る

三十路女のくだらない日々。


by kutuganaru
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

舞城祭りももう終わりか…。

夏が、なかなか終わりません。
厚くなったり、急に寒くなったりして、風邪をひきそうです。

最近外出のある仕事をしているので、
暑かったり、寒かったり、急に雨が降ったりすると困ります。
って、そんなのは誰だって困るのだ。

今年の夏は熱かった。
何がって、舞城祭りですもの。

「獣の樹」「NECK」「イキルキス」そして「魔界探偵冥王星O デッドドールのダブルD」

特に、後ろ二つは近年稀にみる傑作!!


「イキルキス」講談社 2010年8月
表題作「イキルキス」(2002)、「鼻くそご飯」(2004)、「パッキャラ魔道」(2008)の3作品収録。

・イキルキス
物語には、生きるキスと死を招くキスがある。
このキスは生きるキスだといい、と思ってキスをすることに、意味がある。
自分が生きているこの世界は、物語じゃないけれど、でも物語にもなり得るのだ。
ゴンゴン鳴りながら移動する鐘とか、いろいろと残る謎は、そのままでいい。
知ったほうがいいことと、知らなくてもいいことはある。
それは物語でも同じで、物語だから全部わかるっていうことのほうが不自然なことのように思えてくる。
もちろん、そう思えない物語はこの世にごまんとあって、ミステリーでそれができちゃう舞城王太郎やっぱすげー。

・鼻くそご飯
舞城王太郎の本は、えぐいと同時にものすごく純粋で真っ白で無垢だから、
汚いことをたくさんいってても、それはその純真を表現するための手段だと思うのだ。
だからか知らんけど、セックスとかそういうことの描写はとても珍しいんだけど、
スッと入ってくるから不思議。
ほんとどうしようもない人間なんだけど、結局は純心をどこまでもどこまでも、どこまででも
追い求めちゃうから、菊の絵を描き続けたり、鬱になって首吊ったりして、
苦しんでるけど生き続ける。

・パッキャラ魔道
上記2作品に比べて、印象が薄い。
やさしくされないと思っている人って、人にやさしくできてないことが多いってことだよね、きっと。


「魔界探偵冥王星O デッドドールのダブルD」講談社ノベルス 2010年9月
この、この作品を読むために、今まで肌に合わないラノベチックな作品を、
ずっと読んできたんですね!!私は!!
という、2重の感動が得られる。
ほんと、きつかったんです。このシリーズ読み続けるの。
別につまらなくないけど、どうにも肌に合わなかったんですよ。
こんなこといったら失礼だけど、正直誰かに表紙見られでもしたら超恥ずかしいし。
舞城王太郎の企画、っていうだけで、シリーズ全部購入するのは、マジくじけそうだった。

ちなみに、概要を書くと舞城王太郎原案の映画「NECK」に登場する、主人公杉奈の幼馴染で、
ホラー小説家の越前魔太郎という人がいて、その人名義の本なんですが、
もちろん架空の人物なわけで、この企画をしている電撃文庫と講談社ノベルスそれぞれのレーベルの
売れっ子作家が覆面で書いているという噂。
一応どの作家が関わったかが最近明らかになったけど、またまた失礼な話、乙一しか知りませんでした。

・ヴァイオリンのV
今思い起こせば、シリーズの中では悪くなかったかもしれない。
でも、きざすぎるセリフ回しとか、改行が全然なくてとても読みづらかったし、
戦闘シーンが長すぎてだれる部分もあった。
舞城王太郎は改行なくてもスラスラスラと読めるのに。
よかった点は、人体楽器という残酷な楽器が美しかった。
噂によると乙一作の線が濃厚らしい。

・ウォーキングのW
このシリーズ中もっとも(ダブルDは除く)心温まる話。

・ホーマーのH
もうよく覚えてない。。

・ペインのP
エロ描写いらない。結構作りこまれた話でゾクっとするところもちらほらあったのに…。

・ジャンクションのJ
これはD以外で一番面白かったかな。舞城っぽくもあり、支離滅裂な感じが逆によかった。

・トイボックスのT
もう冥王星Oほとんど関係ないじゃん。これもエロ描写いらない。
ぞくっとする感じは悪くなかったけど。

・デッドドールのダブルD
もう!これ!今までの冥王星Oと同一人物なの!?
という問題を解決するためなのかなんなのか、突然冥王星Oアル中になってるよ!!
今までかっこよくしすぎたキャラ設定を見事に解消!
そしておならで語ったりしちゃうなんとも可愛らしい愛らしいキャラになっているけれど、
キレるところはやっぱキレる!!推理でも、偽推理でもなんでもいいから生きてやる!
っていうスピード感がマジたまらない!!
「煙か土か食い物」「世界は密室でできている」そして「ディスコ探偵水曜日」的
メタメタな感じで、懐かしいとも思いつつ、やっぱ新しいよね、さすがだよね!!
この話は、とにかく最後がほんとに好き。何とも思い出して、ほっこりする。


何が悲しいって、この感動をわかってもらえる人、いないだろうなってこと。
いくら舞城好きでも、シリーズ全部読まないよね。わざわざ。
そして全部読まないと、感動も半減なんだよ!!ってことだ。

私にもっと伝える力があれば・・・!
by kutuganaru | 2010-09-17 20:48